【就活Q&A】

なかなか聞けない!

留学生からのよくある質問に、ASIA Linkキャリアアドバイザーが答えます。

質問も受付中です!


【質問】日本語能力試験N2以上を持っていないと、日本企業に就職ができないのですか? 

 

【回答】

 仕事内容によって、求められる日本語能力は違います。

 エンジニアやデザイナーのように、専門性の高い能力を持っている場合、N3レベルでも企業で活躍している人はいます。一方、営業職のように日本人の顧客とのコミュニケーションが必要な仕事は、N1以上が必要な場合も多いです。日本語力が高いほど、仕事の選択肢も増えますし、入社後の活躍の幅も広がります。ぜひ、日本語は学び続けてほしいと思います。

 ただ一方で、「日本語能力試験N2に合格してから就職活動をやります!」と言っている留学生にも時々会います。日本企業の多くは、新卒社員を4月に採用しますので、就職活動の時期がだいたい決まっています。N2に合格するまで就職活動をやらないでいると、合格したときにはすでに入りたい企業の募集が終わっていた、という失敗もよく起こるのです。就職活動と日本語の勉強は、同時に進めていくことが大切です。

 また、最近では、日本の大学や大学院で、英語だけで勉強ができるコースが増えています。ASIA Linkにも、「英語で面接ができて、入社後も英語を使って働ける仕事を紹介してください」という留学生からの相談が増えてきました。しかし、英語だけで面接が受けられて、英語だけ使って働ける日本企業はほとんどありません。現在、大学や大学院の英語プログラムに在籍している留学生のみなさんは、日本で就職したい場合は一日でも早く日本語の勉強を始めてください。

 

★面接に必要な日本語についてもっと知りたい留学生は、お役立ち情報「面接合格のための日本語力」を読んでくださいね。 

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【質問】敬語が苦手なので、面接に自信がありません。

 

【回答】

 敬語を心配する留学生は、とても多いですね。敬語は、たしかに難しいです。でも、安心してください。日本人学生だって、就職するまでは敬語は得意ではありません。働きながら、少しずつ身に着けていくものです。いまは、「です、ます」の丁寧語ができればじゅうぶんです。

 それに、面接や仕事をする上で一番大切なのは、敬語ではありません。相手の言いたいことを理解し、自分の伝えたいことを正確に伝える会話力がとても大切です。また、いくら日本語が上手でも、言いたい中身がなければ意味がありません。敬語の習得は、社会人になってからで間に合います。まずは、会話力と、話す中身の準備をしてくださいね。

 


【質問】日本企業が外国人を採用する理由は何ですか?

 

【回答】

大きく分けると3つの理由があります。

1.国籍を問わず優秀な人材を採用したい

2.海外とのビジネスを行う・広げるための架け橋になって欲しい 

3.社内の古い体質を変えたい

 理系のエンジニア職の採用や、大手企業の総合職採用では、「国籍を問わず優秀な学生を採用したい」という理由が多いです。とくに優秀な理系留学生は、国籍を問わず採用されます。

 また、「海外とのビジネスを行う・広げるための架け橋になって欲しい」という理由は、中小企業における留学生採用の中で特に多い理由です。日本のマーケットは少しずつ小さくなっていますので、中小企業も海外とビジネスをしている企業がたくさんあります。新しい国・地域への進出には、現地の文化・習慣・言語を理解している外国人社員が必要です。

 そしてもう一つ、「社内の古い体質を変えたい」という企業もあります。日本は世界的に見ても、歴史の長い企業が非常に多くあります。歴史があるということは長くお客様に愛されてきた企業である証拠ですから、とても良いことです。ただし、人材が固定されて、新しい時代の変化に対応しにくいというデメリットもあります。新しい風を社内に吹かせるために、外国人社員を採用するという動きが増えてきているのです。

 留学生のみなさんには、ぜひ日本企業の中で「新しい風」として活躍していただきたいと思います。

 


【質問】競争相手となる日本人学生と、外国人留学生の強みの違いを知りたいです。

 

【回答】

 日本人学生の最大の強みは、もちろん「日本語が母国語」であることですよね。それ以外にも、「日本の社会・文化の理解」「日本的なチームワークの理解」等も日本人学生の強みです。

 一方、外国人留学生の強みは、まずは自分の母国語、そして英語ができる人は英語力です。それ以外にも、「日本の常識に捉われない考え方」「異文化に対する対応力」「海外へ出張・駐在ができるフットワークの軽さ」なども、留学生の強みといえます。

 どんなに優秀な留学生でも、日本人と日本語でコミュニケーションが取れなければ仕事はできません。また、日本の社会・文化への理解や、チームワークへの理解がなければ、会社に入ってから周りの社員とうまく人間関係が構築できないでしょう。ここがきちんとできることを、ESや面接の中で示すことができると、留学生の内定への道のりはぐっと近くなります。

 そして、留学生の強みである「母国語や英語力を活かし、日本人にはない発想で企業に貢献すること、海外へビジネスを広げていけること」がアピールできれば、日本企業は、留学生に対する不安よりも、留学生を採用することのメリットを感じるのです。

 


【質問】大学の専攻と関係ない職種にも応募できますか?

 

【回答】

 時々留学生から、「大学でマーケティングを専攻していないので、企業のマーケティング職には応募できませんよね?」という相談を受けます。海外では、大学で勉強した専門分野と関連のある職種に就職することが多いですね。しかし日本では、大学の専攻に関係ない仕事を選ぶ学生は、とても多いのです。

 日本の大学教育は、職業につくための教育というよりも、学問の追及を通じて、社会人としての論理的思考力や表現力、幅広い知識(教養)を身につける場として考えられています(理系と文系で、考え方は少し違いますが)。

 企業側も、大学で学んだ専門分野を、そのまま仕事に生かしてもらおうとは必ずしも考えておらず、その学生の社会人基礎力やポテンシャル(潜在能力)、人間性を重視します。そのため、特に文系学生については、専攻に関係なく採用します。

 また、これは、日本企業の働き方にも関係しています。日本企業の場合、最初から最後まで一つの職種で働き続けるということはあまりなく、いくつかの職種(部署)を移動しながら仕事を経験していきます。そうやって会社全体の仕事の流れを覚え、管理職になっていくというキャリアパスが一般的なのです。大企業に多い「総合職」という日本独特の採用方法が、その典型ですね。

 したがって、その求人の募集条件に合っていれば、基本的には専攻分野にとらわれずに職種を選んで問題ありません。

 ただ、留学生の場合は就労のための在留資格を取得する上で、気をつけるべきことはあります。特に専門学校が最終学歴の留学生は、専攻分野と仕事の関連性が重視されますので注意してください。不安な場合は、学校のキャリアセンターやASIA Linkまでご相談ください。

 

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【質問】海外に関わる仕事がしたいので、大企業しか考えていません。それに、中小企業は就労ビザが出ないと聞きました。本当ですか?

 

【回答】

 企業の大きさに関わらず、いまは多くの企業がグローバルにビジネスを行っています。また、就労ビザは企業の大きさで決まるのではなく、留学生の専門性や国籍の強みが企業の仕事と合っているかどうかが重要です。

 中小企業でグローバルに活躍している留学生はたくさんいます。

 


【質問】大手企業と中小企業で、選考方法・選考内容に違いがありますか?

 

【回答】

 ひとことで大手・中小と言っても様々な企業がありますので、すべての企業に当てはまる訳ではありませんが、大手企業の場合、応募学生の人数が非常に多いことから、書類選考(ES)や適性試験の合格基準が高くなる傾向があります。

 また、大手企業は日本人も外国人も区別なく選考するところが多く、その場合は日本人学生と同じくらいのレベルの言語力や適性試験の点数が必要です。

 大手企業の、とくに総合職を受けたい留学生は、日本語力向上のための勉強、ESの準備、適性試験の準備を早めに始めましょう。

 一方の中小企業も、書類選考や適性試験がありますが、大手企業にくらべて「海外営業職として留学生を採用したい」などのように留学生の採用目的・職種がはっきりしているケースが多いです。このような留学生に特化した採用の場合は、適性試験の点数はあまり重視せず、面接重視という傾向があります。

 中小企業の、とくに留学生向けの職種を受けたい留学生は、その職種に求められる言語力・スキルの向上や、仕事理解を深めるための企業研究・職種研究・志望動機の準備を早めに始めましょう。

 


【質問】大手企業と中小企業で、採用基準に違いがありますか?

 

【回答】

 あくまで一般的なケースについてお答えしますね。

 大手企業の場合、多くの企業が「総合職採用(ジョブローテーションをして、様々な部署の仕事を経験する働き方)」をしています。そのため、様々な部署でどのような仕事でも実力を発揮してくれる学力・論理的思考力・言語力・忍耐力・コミュニケーション力などが総合的に高く、バランスの良い学生が採用される傾向があります。

 一方、中小企業では人材を採用する目的・職種がはっきりしていることが多いです。そのため、配属先での仕事により合っている人(例えば、中国にビジネスを広げたい企業の場合、中国語と日本語がビジネスレベルで、どんどん出張に行けるフットワークの軽い人など)が採用される傾向があります。

 ただ、最近では新卒採用に対する考え方も、各企業で個性が出てきています。留学生からは、大手企業と中小企業に関するご質問も多いのですが、企業の規模ではなく、それぞれの企業の理念や将来性も見ながら、企業を選んでいくといいと思います。

 


【質問】私には「〇〇コンクール1位」のような輝かしい経験がないので、自己PRの材料がなくて困っています。どうしたらよいでしょうか?

 

【回答】

 自己PRで悩む留学生はとても多いですね。ただ、自己PRは「輝かしい成功体験を披露すること」ではありません。

 あるメーカーの採用ご担当者が、自己PRについて以下のような話しをしてくださったことがあります。

「企業によって求める人材像が違うと思います。人材に輝かしい経歴を求める企業には、そのような経歴がない人はそもそも合いません。背伸びして入社しても、入社後に苦しいだけです。企業はそれぞれHP等に経営理念が書いてあるので、それに合わせて自分を深堀りすると良いと思います。例えば、私がこれまでの面接で印象に残った人の中に、学生時代に新聞配達をずっと続けて頑張っていた人や、小学校では人見知りだったが色々な工夫をしてアルバイトの販売職で成功した話をしてくれた人がいました。地味であっても自分が誇りに思っていることを整理して、ストーリーとして話てくれるといいと思います。その中に、その人の価値観が見えてくる。その価値観が会社と合うと良い結果になると思います。」

 また、ある外食産業の採用ご担当者は、「成功体験ではなく失敗体験を聞きたい」とおっしゃっていました。失敗をどう克服したのか、これからの人生でどう改善していきたいのか、そちらのほうが聞きたいと。

 背伸びをせず、自分のことをストーリーとして語れるような自己PRを、ぜひ見つけてくださいね。

 

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【質問】日本語と母国語を使える仕事がしたいです。通訳翻訳以外に、どんな仕事がありますか?

 

【回答】

 母国の日系企業では、通訳翻訳業務の求人が多いため、日本に留学に来てからも通訳翻訳の求人がたくさんあると考えている留学生はとても多いです。しかし、日本にある日本企業の本社と、海外の支社とでは、求める役割が違います。日本で働くなら、通訳翻訳業務の求人は非常に少ないことを知っておいてください。

 通訳翻訳以外で、日本語と母国語を使いたいのであれば、以下のような仕事があります。

*母国への営業

*母国の支社・顧客等との連絡調整業務

*母国工場の生産管理、母国からの調達業務

母国との物流(貿易)業務

*訪日観光客への対応

*母国へ販売した機械のメンテナンス

*母国とのブリッジSE など

自分はどんな仕事をしたいのか、よく調べて考えてみてくださいね。

おもしろい仕事、やりがいのある仕事、成長できる仕事がたくさんありますよ。

 

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【質問】母国の大学でITを専攻しました。今は日本語学校で日本語を勉強中です。日本のIT企業に就職はできますか?

 

【回答】

 就職できる可能性があります。大学で勉強したITの専門知識やプログラミング言語は覚えていますか?時々、母国の大学で勉強したことはもう忘れてしまいました、という人がいます。とてももったいないです。日本語学校とアルバイトの両立で忙しいと思いますが、大学で学んだことを忘れないように、自分で勉強を続けておくことが大切です。

 また、システムエンジニア(SE)は高い日本語力を求められます。SEをめざす人は、日本語力も重要です。

 


【質問】最先端の技術を持っているメーカーに就職しないと、エンジニアとして成長できないのでしょうか?

 

【回答】

 いい質問ですね。エンジニアにとって、「最先端の技術」と「伝統的な技術」について深く考えることはとても大切です。

 「最先端の技術」を追求するメーカーは、たしかに華やかで、注目されます。また、チャレンジングです。時代に乗るとヒットにつながり、大きく成長することもあります。

 ただ、その時代の最先端を目指すということは、常に変化が求められ、トップ企業の入れ替わりも激しく、時代や需要が変わればその企業の存続自体が危うくなることさえあります。

 一方で、伝統的で確かな技術をコツコツと積み上げているメーカーもあります。華やかさ、派手さはないかもしれませんが、長く継承されてきたその確かな技術は、多くの(時には世界中の)人々、企業から、信頼を得ています。このようなメーカーの中には、いわゆる「100年企業」といった長寿企業も多く、「あの装置なら〇〇会社だね」と言われるブランド力を持っています。

 これからエンジニアとして成長していきたいあなたが、どちらのタイプの働き方を選ぶのか。これはもちろん、良し悪しや上下ではなく、あなたの価値観や生き方といった深いところに関わってくる選択だと思います。どのような企業であっても、成長できるかどうかは自分次第です。

 


【質問】内定をもらったけれど辞退したい。大丈夫ですか?

 

【回答】

 内定が決まると「内定通知書」と「内定承諾書」が企業から送られてきます。内定承諾書にサインをして企業へ返送すると、「私はこの企業へ入社しますよ」という意思表示になります。

 ただ、内定をもらったあとで、もっと志望度の高い企業から内定が出た、という人もいるでしょう。体は一つですから、入社する企業は一つに決めなければなりません。

ASIA Linkには、時々

「内定承諾書を提出したら、もうその企業の内定は辞退できないの?」

「辞退したら法律違反になる?」

という相談がきます。

答えは、「辞退できます。法律違反にはなりません」。

 しかし、「かんたんに内定辞退できるなら、たくさん企業を受けて、いくつも内定をもらっておこう」とは考えないでください。採用活動は、企業にとって「大切なメンバー」を探す重要な仕事です。企業はたくさんの時間とお金とエネルギーを使って、採用活動を行います。そして、「あなたにメンバーになってもらいたい」と願って内定を出すのです。

 これから社会人になろうとするみなさんには、その気持ちに誠実に対応してほしいと思います。もちろん、就職は人生の大切な選択ですから、自分が一番行きたいと思う企業に就職したほうがいいです。そのために、内定を辞退することもあるでしょう。

 内定をもらっても、本当にその企業に入社するかどうか迷っているときは、すぐに内定承諾書を提出しないで、企業の人事担当者に正直に相談してください。気持ちが決まるまで、内定承諾書の提出を待っていただけるか、きちんと相談してみてください。

 考えたうえで、内定を辞退すると決めたときには、企業に誠意を持って伝えてください。メールだけで内定辞退を伝えず、かならず電話をしてこれまでのお礼と辞退のお詫びを伝えてください。

 このような対応も、社会人としての第一歩です。

 


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