▼KJケミカルズ株式会社 Cさん
KJ Chemicals Corporation 開発研究部(モンゴル出身2022年4月入社)
仮説と違う結果に新しい発見があるのが開発研究のおもしろさ
~自分の課題解決の「テーマ」を持ち、日々新しい知識も学びながら成長しています~
留学からKJケミカルズ入社まで
ー一番忙しくて、一番楽しくて、一番苦労した留学時代
- Cさんは2022年の4月にKJケミカルズに入社しましたね。今日は少し振り返って、日本に留学した頃のお話しから伺っていきたいと思います。なぜ日本に留学したのですか。そして、大学で化学を専攻したのはなぜですか。
私は母国で、日本式の高校に通っていました。そのころから日本語も学び始め、日本にも興味がありました。
とくに興味があったのは、日本の機能性材料です。安全性が高く、品質が高いことが世界でも知られていたので、そのような機能性材料に将来関わりたいと思って、日本へ留学しました。
大学で化学を専攻したのは、さきほどの理由に加えて、高校時代に化粧品に興味があり、その原料を作りたいと思ったことも理由の一つです。
- 日本に留学してから、大学・大学院の学生生活はどうでしたか。
今振り返ってみると、一番がんばった時期だったと思います。
日本語力も、最初は大学の専門を理解するレベルではなかったし、学費などの経済的な問題もありました。アルバイトをしながら夢中で勉強しました。この6年間は、一番忙しくて、一番楽しくて、そして一番苦労した時期だったと思います。
メンタルも強くなったし、プレッシャーにも強くなったし、急激に成長した期間だった気がします。
自分の国にいたら、言葉にもお金にも苦労しないで楽に生活できたと思いますが、こんなにいろいろな経験をする機会もなかったと思います。私はやはり留学して良かったと思います。
- 「日本で働く」というのは、いつから考えていたのですか。
高校生のときから考えていました。
日本の最先端の技術を学びたい、トップの技術を習得できる環境で働きたいと考えていました。
- 学生時代に想像していた「仕事」のイメージと、入社してからの「仕事」にギャップはありましたか。それとも想像通りでしたか。
理系と文系の学生で違うのかもしれませんが、私は理系の研究室にいたので、コア時間に研究室に行って、コア時間に帰るという、ある意味仕事みたいな環境でした。研究室では、実験をしてデータを出して考察し、先生と議論・相談をして、また次の実験に取り組むという順番でした。
この形は基本的に、就職した現在も変わりません。学生時代に想像していたとおりでした。
想像とまったく違ったら苦労したと思いますが、想像通りだったのはよかったです。
学会や研究会に参加して発表することも、学生時代と同じように、入社してからもやっています。
違う部分は、そうですね...。書類作成やメール作成があることですね。
入社してからまもなく2年
ー自分の研究テーマを持ち、目標達成に向けて取り組む日々
- Cさんは現在、開発研究部に所属していますね。人間関係はどうですか。
私がいる部署は20代と30代がメインなので、年齢があまり変わらない環境です。
学生時代と近い環境なので、とても相談しやすいです。入社してからこれまで、「相談しにくいな」と思ったことはないですね。上司とも気楽に相談できます。
若い研究者たちの発表の機会もあります。毎月発表会があり、先月やった自分の実験の内容をみんなに共有するための会議があるんです。若い研究者が発表して、上司たちと議論して、課題点や改善点を考えていきます。
- 入社してからまもなく2年がたちますね。これまでどんなことをしてきたか、教えてください。
入社してからまず、本社と工場で研修があります。私のときはコロナ禍だったので本社へは行けなかったのですが、熊本工場で外部講師による社会人マナーなどの研修を受けました。
それから、工場の見学、部署見学、会社の規則やルールの研修もありました。
部署に配属されてからは、新入社員1名に対して、インストラクターが1名つきます。インストラクターは同じ部署の先輩です。その先輩に指導してもらいながら、一緒に仕事に取り組みます。研究のこと、実験のこと、一般業務も、本当に全部教えてくれるのがその先輩です。
今年度から私もインストラクターとして、去年入社した外国人の後輩に教えています。
- 開発研究の仕事は、どのように進めるのでしょうか。チームに分かれて行うのですか。
はい、チームに分かれて行います。新規開発のチーム、既存プロセス開発のチーム、アプリケーションのチームなどがあります。そのチームの中で、一人ずつ自分の「テーマ」を持っています。それぞれが、課題解決のテーマを持ち、取り組んでいきます。
- 自分の「テーマ」を持つのですね。Cさんにも自分のテーマがあるのですか。
はい、あります。そのテーマに対する目標を達成するために、どんな実験を、いつまでに、どこまで終わらせるか。どういうデータに注目して、どういう実験をするかを考えます。自分で責任をもって、テーマに取り組んでいきます。
私は入社1年目は新規開発のチームに所属し、KJケミカルズのオンリーワンの技術を中心に習得しました。
2年目からは、そこにあるものをどうやったらもっと良くできるか、コストを削減できるか、環境負荷を下げられるか、それを自らの発想と行動で進めていくことが必要になりました。
次第に責任が増えて、成長している実感があります。
KJケミカルズは、本当に知識と力があれば、成長しやすい会社だと思います。自分のテーマを持って、リーダーになっていける環境だと思います。
大学の勉強も役に立つが、入社後もまだまだ勉強は続く
ー英語で論文を読んだり、学会に参加したり。世の中は日々新しいものが開発されているから。
- 大学・大学院で学んだ知識は、役に立っていますか。それとも、入社してから新たに学ぶことのほうが多いですか。
理系の仕事の場合、大学で学んだことはほぼすべて役に立つと思います。その基礎があった上で、仕事ではそれ以上のレベルの知識が必要になります。
私の場合はとくに、大学で研究していた内容とKJケミカルズの開発テーマがほぼ一致していましたので、大学での勉強はほぼ役に立っています。
- 入社してから、大学レベル以上の知識を学んでいくわけですよね。それはどうやって学ぶのですか。
海外の研究雑誌の論文を読みます。あとは、毎年学会や報告会が開催されているので、そこにも参加します。WEB上でもよく社会人向けの専門的な講義が行われていますので、そこにも参加します。
現状の知識のままでいたら、やっていけません。日々新しい知識を得ていく感じです。世の中は、日々新しいものが開発され、研究が行われています。それを知っておかなければならない環境です。
一生勉強は続くと思います。
文献調査は英語が基本です。英語で論文を読みます。特許を読むこともあります。
- 開発研究では、どんなときにおもしろいと感じますか。逆に辛いことはありますか。
研究をする上では、こうやったらこういう結果になるだろう、と仮説を立てます。しかし、仮説通りの結果にならないことのほうが多く、まったく違う結果が出ることもあります。その、まったく違う結果がいい結果だったとき、それは新しい発見につながります。そういう時はおもしろいです。
いい結果ではなく、ダメな結果が出ることもありますが、それもある意味成果です。この方法は失敗する、ということが分かったわけですから。
逆に、大変だな、つらいな、と感じるのは、文献を調べても知りたいことが出てこないときです。調査研究されていないもの、世の中に結果が報告されていないものは、文献調査をしても出てきません。そういう時は、自分でゼロから検討してみるしかありません。
- 外国人として、働きやすさや、働きにくさを感じることはありますか。
KJケミカルズは、日本人社員にも外国人社員にもニュートラルです。日本人・外国人関係なく、「人」としての知識や能力を評価されます。同じ環境で、同じ条件のもとで仕事をします。
外国人としての差別もないし、外国人だから優しくする、ということもありません。
そういう意味において、「外国人だから働きやすい」ということもないし、「外国人だから働きにくい」ということもありません。
私にとっては、この考え方が合っています。
外国人だからこれをしなくていいよ、とか、発表しなくてもいい、といった配慮は、私は欲しいとは思いません。
まわりの人と同じように成長していける、そういう環境が私は好きです。
- 熊本での生活はどうですか。
会社が広くてきれいなアパートを用意してくれます。買い物や病院など、生活に必要なものも周辺にそろっているので、生活にはこまりません。八代市は遊ぶところはあまりないかな(笑)。もちろん熊本市まで行けば何でもあります。
研究職はある程度自分の裁量で仕事を進められるので、有給休暇は取りやすいと思います。私は有給休暇をためておいて、年に1回少し長めの休暇を取って国に帰ったりしています。
♦♢♦KJケミカルズのCさんから留学生のみなさんへのメッセージ♦♢♦
- 最後に、就職活動中の留学生にメッセージをお願いします。
まずは、自分がなりたい姿をはっきりさせることが大切だと思います。
将来どんな人になりたいか。
どんな仕事で成功したいか。
自分の将来のことをしっかり考えていくうちに、自分が何をしなければならないか、それがあとから見えてきます。
「自分がこうなりたい」ということが見えたら、面接のときにぜひ伝えてください。
自分はこうなりたい、だからこの会社に応募しています、と。
スキルはあとから習得できます。
スキルを持っていないから行動しないのではなく、「こうなりたい」という気持ちがあるから、スキルを習得できるのです!
日時:2024年3月8日
場所:ZOOM(オンライン)
インタビュアー、記事編集・構成:ASIA Link 小野
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