▼株式会社オフテクスホールディングス 代表取締役社長 米田 穣さん

OPHTECS CORPORATION CEO & Representative Director Joe YONEDA


 

高付加価値、高品質な製品で世界のコンタクトレンズユーザーの眼の健康を守る

~もっと強くなって前進する、「自彊不息(じきょうやまず)」の精神を大切に~ 

 

目の健康を第一に考えて、コンタクトレンズケア洗浄液、点眼薬を開発

オフテクス(Ophtecs)とは「ophthalmology(眼科)」と「techniques(技術)」

- オフテクスはどんな会社ですか。

 

当社はコンタクトレンズケア用品や目薬(点眼薬)を取り扱っています。目のことを考えて、目にとって一番いいものをちゃんと製品として出そう、そういうものを研究開発しよう、営業だったらそういうものを眼科や代理店の方々に一番に取り扱ってもらえるようにしよう、ということをやっている会社だと思います。

 

オフテクス(Ophtecs)という会社の名前は、わたしの父が創業時につけた名前なのですが、「ophthalmology(眼科)」と「techniques(技術)」という二つの言葉を合成して会社名にしているんです。眼科の領域で技術的に優れた製品を出す会社になりたい、という思いは最初からあったと思います。

 

今、やっているのはコンタクトレンズのケア用品と点眼薬ですが、できればわたしの代で事業の領域を広げていきたいと思っています。眼科は外科と内科が混ざったような珍しい領域なんですが、薬や医療機器にもチャンスがあれば挑戦したいと思っています。 



眼科の医師やコンタクトレンズユーザーのニーズに応えるための研究・開発

ー患者さんのお悩みに耳を傾けて、ケア用品をご紹介

- 新製品を出すときは、研究も開発も、どちらも力を入れてやっていらっしゃいますよね。

 

 

基本的な研究があって、それをベースにして、製品にその技術を取り入れていくという形ですね。

 

 

- オフテクスはコンタクトのケア用品を作られて、目薬にも力を入れていらっしゃいますが、国内では眼科(病院)や眼科医(医師)に営業をされていくのでしょうか。

 

 

そうですね。お客様はコンタクトレンズを作るとき、まず眼科に行きますから、ケア用品が必要な方に、当社の製品を渡してもらうと、お客様はその製品がいい製品だと思ってくれますし、伝わりやすいですね。そこが一番のスタートラインで、大事な営業活動だと思っています。



コンタクトレンズケア用品の販売で日本一を目指す

ー日本のコンタクトレンズユーザーにさまざまな選択肢を

- これからの企業展開について、今、お考えになっていることを教えていただけないでしょうか。

 

 

まず、今の事業、コンタクトレンズケア用品では、日本でナンバーワンになることが第一です。

 

ただ、コンタクトケア用品だけでは事業として今後の広がりがないと思い、点眼薬(目薬)の研究開発にも力を入れて開発しているところです。この二つに関しては日本だけではなく海外を含めてやっていきたいと思っています。

 

 

- コンタクトレンズに関しては、どうお考えですか。

 

 

コンタクトレンズは高度管理医療機器の一つです。当社も、過去に使い捨てタイプのコンタクトレンズを販売していた時期もあったんです。特に1DAYタイプのレンズだと、どれだけ売るかという物量が課題になっていくので、大きな会社に先行されていると、なかなかシェアを取るのは難しいことがわかりました。ですから、1DAYタイプのコンタクトレンズを再び販売しようとは考えていません。

 

これからは、逆に海外のコンタクトレンズを日本に持ってきて、当社のケア用品を使ってもらえるような流れを作りたいですね。海外にはまだ日本に売っていないタイプのコンタクトレンズがいろいろあるんです。そいうものを先駆けで日本に持って来られたら面白いなと思っています。

 

うちの商品は海外では、特殊なコンタクトレンズに対するケア用品ということで、うまくいっているところが多いんです。

 

 

- 5年ほど前の2018年に、オランダのマイクロレンズ社を買収し、OPHTECS Europe B.V.を作ったというお話でしたが、そこは元々コンタクトレンズの会社でしたよね。その会社が販売されているコンタクトレンズなのでしょうか。

 

 

そうですね。この会社のコンタクトレンズは、完全にCustomized lensesなので、日本ではあまりメジャーではないんですけれど、欧米はそういう小さい会社、ラボがあるんですね。そういうものを日本でやり始めた方がこれからは面白いなと思っています。

 

昔は日本の会社もオーダーメイドのハードコンタクトレンズを作っていたんですが、外資系の会社が入ってきて、使い捨てと交換するタイプが多くなって、販売をやめてしまったんですよね。

 

今、ハードタイプのレンズもどんどん減ってしまっています。日本は1DAYタイプの使い捨てが主流となっていて、もちろん、海外も1DAYタイプが主流であることは間違いないんですが、ほかにもいろいろなタイプがあるんです。

 

ですから、お客様のさまざまなニーズが拾える商品を販売していきたい、という気持ちはあります。

 



海外で人気の近視の進行を抑制するコンタクトレンズ

ー日本にも予防医療のコンタクトレンズを普及させていきたい

- 海外では、ほかにどんなコンタクトレンズに人気があるのでしょうか。

 

 

中国では、近視の進行を抑制するコンタクトレンズが今、とても人気があり、日本でも普及させられないかなと思っています。

 

寝ているときにコンタクトをして、起きているときはコンタクトを外して裸眼で過ごす、というコンタクトレンズです。このレンズは近視を矯正する目的ではなく、近視になることを抑える、近視の進行を抑制する予防医療的な側面が大きいんです。

 

子どもの眼の角膜は変形しやすいので、寝ているときにコンタクトレンズを装着して、変形させて、視力を出す、それを継続していると、近視が進まなくなります。長期的なデータもあり、国際的には認められているのですが、日本はそれに対して懐疑的な意見もあって、チャレンジするのがまだ難しい状況ではあります。子どもが寝ているときにコンタクトレンズをつけっぱなしにすることに対して、危ないという印象を持たれている、ということもあり、考え方が割れています。

 

「近視になったからコンタクトレンズを作りましょう」という対処療法ではなくて、近視にならないように手前からのケア、近視の進行を抑える、といったことが今後必要になってくると思っています。

 

世界的な流れはそちらにあると思うので、いち早く乗りたいと思っています。そういうことに興味を持ってくれるコンタクト関係の眼科医の先生を増やしていきたいとも思っています。

 

日本のコンタクトレンズに多様性を持たせるチャンスだとも思っています。大手は注目していないところを狙っていきたいですね。

 

 

- 近視進行抑制の予防医療的なコンタクトレンズが普及していけば、それに合わせた洗浄液なども必要になってきますよね。

 

 

そうですね。今、日本で主流となっているのは、1DAYタイプのコンタクトレンズで、使う人にとってはケアをしなくいいので楽ですが、経済的な負担は結構大きいと思います。ケア用品とコンタクトレンズを使った方が安いんです。

 

 

- 乱視は抑制できるものなのでしょうか。

 

 

乱視も近視が悪化したものなので、近視の進行を抑制するコンタクトレンズを子どもの時から装着するといいですね。中学生ぐらいからスタートしても効果はあります。大人にはあまり効果がありません。中国では8歳ぐらいから始めるのがちょうどいいと言われています。

 

日本の小さな子どもで、分厚い眼鏡をかけている子がいますが、そういった子どもを減らすことができるんですね。視力矯正用のコンタクトレンズをつけると、度が進んでしまうので、予防を小さいときにしてあげた方がいいと思います。



北米や中国への進出について

ー各国での臨床試験や政府機関の承認について

- 以前、お話を伺ったとき、コンタクトレンズの洗浄液を北米市場でも販売していきたいというお話がありましたが、その後はいかがでしょうか。

 

 

今はアメリカで臨床試験をやらなければいけないので、その準備をしています。商品を販売する許可を得るための、人での使用データを取る準備に入っています。

 

 

- 海外で新製品を販売するまでどれぐらい時間がかかるのでしょうか。

 

 

アメリカだと、まず臨床試験に1年ぐらいかかります。臨床試験は実際の医療機関で医薬品を患者さんに使ってもらいます。

 

アメリカのCRO (医薬品開発業務受託機関 Contract Research Organization)やSMO(治験施設支援機関 Site Management  Organization)などに依頼して、モニタリングと臨床データをまとめるところまでやってもらいます。

 

その後の申請手続きは当社で行います。申請してからは、アメリカの場合、はやいです。臨床試験を含めると3年、手続き的には2年ぐらいですね。ですから、製品の販売ができるのは3年後ぐらいになります。

 

 

- こういった新製品の申請手続きをされているのは、神戸の研究開発の方々なのでしょうか。

 

 

そうですね。こういった業務は理科系のバックグラウンドが必要です。それぞれの国の法律があるので、折衝しないといけないです。

 

たとえば、中国の場合は、NMPA(中華人民共和国国家食品薬品監督管理局、National Medical Products Administration)が医薬品の審査や認可を行っています。

 

各国の政府機関とのやりとりも発生するので、ここで外国の方や留学生の戦力が必要になってきます。



研究開発は神戸本社、製造工場は豊岡市

ー互いに連携しながら、製品開発

- 化学系の知識を活かしながら、研究されている方は、神戸にいらっしゃると思いますが、製造工場は豊岡市にありますよね。研究開発の方と現場の製造の方はどのように連携されているんですか。

 

 

研究開発して、最初のプロトタイプができると、一回スケールアップを工場でします。そこでデータのやりとりだとか、工場スケールで作ってどうなるかといった過程があります。そこで連携しています。豊岡にも技術者が何人かいますので、そこと研究所とのやりとりもあります。

 

 

- たとえば留学生が研究開発の部門に配属された場合、勤務先は神戸本社であることがほとんどだとお伺いしていたのですが、豊岡に行く可能性もありますか。

 

 

それはありますね。品質管理や生産技術の仕事をやっていただくことはあります。

 



オフテクスが留学生、外国人社員を採用する理由

ー海外市場への進出、今後は東南アジアへ

- 御社にはすでに外国人の社員の方が勤務されていると伺ったんですが。

 

 

東京の三人の外国人社員は営業担当です。神戸は経理に一人、研究開発に一人、外国人社員がいます。

 

 

- アジア地域の海外営業の方は、既存の代理店とやり取りをしたり、市場調査や新規の代理店を探されたりしているのでしょうか。

 

 

そうですね。今、アジア向けの展開は、非常に好調です。一番売り上げが大きいのは中国で、台湾、韓国、香港も、日本で製造されている医薬品ということで信頼もあり、代理店も非常に売りやすいと言ってくれています。

 

今年からは東南アジアで進出できるところを探しています。タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシアといった5か国をターゲットに考えています。国によって経済レベルなどのばらつきはありますが、次に来る市場はこのあたりだろうと考えています。タイやマレーシア、シンガポールのコンタクトレンズユーザーは増えてきているのでベースはあると思います。

 

 

- 留学生を採用したいと考えるようになったきっかけなどはありますか。

 

 

きっかけは日本人の学生さんの語学力の低さですね。やはり、外国語を話せる人が圧倒的に少ないし、話せても英語なので。英語ではなくて、その国の言語ができるほうが、ビジネスも進めやすいので、語学力の高さが留学生を採用するきっかけになっています。

 

今、当社には外国人社員が5人いますが、違和感なく溶け込んで働いています。留学生の場合、学生時代、日本で生活して慣れていることもあると思います。外国人社員が増えていけば、日本人社員の意識も変化していくと思います。そういったことも期待しています。



コンタクトレンズケアの洗浄液にポビドンヨードを配合することに成功

ー米田社長の座右の銘は「自彊不息(じきょうやまず)」、自らを強くすることをやめない

- 米田社長ご自身にとって、オフテクスに入社されてから、心に残っている出来事はありますか。

 

 

やはり、ポビドンヨード(povidone iodine, PVPI)の商品が最初にできたときは、「本当にできた!」と思いましたね。入社前から父がずっとやっていて、厚生労働省の許可が下りなくて、悪戦苦闘している最中に、わたしが入社しました。

 

追加の臨床試験を求められて、その担当をわたしがやったこともあり、承認が取れたときは、「やった!」という気持ちになりました。その後、売り始めたら、それはそれで大変でしたが(笑)。それが一番ですかね。

 

ポビドンヨード自体はうがい薬でも使われていますし、手術するとき、お医者さんは傷口の消毒でずっと使っているものです。「ポビドンヨードでコンタクトレンズの洗浄液を作ろう」と考えたのは父のアイデアでした。どの会社もやっていなかったし、それを製品化できたときはうれしかったですね。

 

多くのコンタクトレンズの洗浄液には過酸化水素が使われています。過酸化水素が洗浄するには最も強力だと言われていましたが、使い方を間違えたり、コンタクトレンズに過酸化水素が残留していると、目にしみるんです。過酸化水素には良し悪しがあって、そこを補いたかった、ということもあります。ポビドンヨード自体には刺激性はないので、安全性が高いという点でも注目していました。

 

 

- 日頃、大切にされている言葉や座右の銘はありますか。

 

 

わたしは父の社長室をそのまま引き継いで使っているんですが、そこに中国(『易経』)の「自彊不息(じきょうやまず)」という言葉があるんです。

 

それは自らを強くすることをやめない、という意味なんですね。「常にアップグレードすることを意識しなさい」「ここで終わり」「ここでいいや」とならず、次に次にもっと考えていくことにつながっていくと思います。この言葉はいい言葉だと思っていますし、好きな言葉ですね。

 

今、ポビドンヨードを使った洗浄液を完成させることができて、今の時点では究極タイプだと思います。でも、「次を考えろ」と研究所には言っています。「次はありませんよ」と研究所からは言われましたが、「ないことはないから、次の段階に行こう」と、一緒に考えているところです。

 

研究所にも「自彊不息(じきょうやまず)」と言っています。強くなったと思ったらそれで終わりだから、もっと強くなりたいと思うように、今、研究所長と次の手を一緒に考えているところです。

 

 

- コンタクトレンズも、コンタクトレンズケアの洗浄液も日々使うものなので、ユーザーは同じものを使い続ける傾向があると思いますが、オフテクスの製品を使ってもらうための打開策はありますか。

 

 

新しいものを出して、営業が説明をして、眼科の先生方は理解してくれる方々なので、眼科で商品を勧めてもらう、という体制を作れれば変わっていくと思います。ただ、眼科に行かない人、定期健診を受けていない人は、ドラッグストアで買い続けているので、「コンタクトケアを見直しませんか」というコマーシャルを作りました。ドラッグストアでも販促ツールを使って訴えています。

 

古い商品をそのまま使い続けるのは、学会で眼科医の先生も、「今の時代にスマホではなくポケベルを使い続けるようなものだ」と仰っていました。新しい製品が出るのは理由がありますので、コンタクトレンズだけでなくコンタクトケア用品も進化しているので、見直しをしてほしいなと思っています。

 

まだ「どこで買えるんですか」と聞かれることもあるので、営業を頑張っていくしかないですね。

 

 

- 海外でも気軽にドラッグストアのようなところで気軽に買えるといいですよね。

 

 

海外のコンタクトレンズの洗浄液は、決まった会社やドラッグストアのPB(プライベートブランド)が主流になっているので、PBの中には入り込みにくいですね。

 

アジアやヨーロッパだと「これがいいですよ」と誰かに勧めてもらって購入していただくルートで、海外ではその手法でやっていこうと思っています。棚に置いているだけでは何だかわからないですし、ちゃんと間に入ってもらう人たちに売る、という形を取ろうと思っています。アメリカでもその方向でいく予定です。

 

 



♦♢♦オフテクスの米田社長から留学生のみなさんへのメッセージ♦♢♦

ー 最後に米田社長から、オフテクスへの応募を考えている留学生へのメッセージをお願いいたします。

 

オフテクスは今、海外展開・進出を一生懸命やっています。海外で仕事をしやすい能力を持っている留学生の方々にはチャンスの多い会社だと思います。少人数ながらも留学生の採用実績のある会社です。留学生を受け入れる土壌はできていますし、働く環境は整っています。

 

去年の社長LIVEに参加してくださった留学生のみなさんはとても優秀でした。

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